Apéritif
夏休みの終わり。9月1日前後に18歳以下の自殺者数が急増するらしい。
今回は、そんな”学校”について。
行きたくない学校と、どう付き合っていけばいいのか。
学校になじめないあなたのために、常に浮いていた学校・社会不適合者のわたしの話をしよう。
Débordement
エピソード1 / 静寂の中の挙手
何かを決める時、たとえ1人でも堂々と手をあげていた。多数決のときは、一応聞くけどほぼスルー状態。だったら聞かないで……って思いながら。黒板に人数書くところに『1名』って書かれたりしながら。
話し合いのときは、1人でも違う意見がいれば再度話し合わなきゃいけない。だから、嫌な目をされたこともあるし、男子に文句言われたこともあった。でも正直、自分の意見を貫いてただけで周りの文句なんて、なんとも思ってなかった。協調性0人間。
エピソード2 / 受験3か月前に理系から文系へ
大して将来のことを考えてなったとき、突然文系の学校に行きたくなった。理系のクラスに入ってたけど、文系をやりたくなったので受験勉強を考えた。必要な科目に全くやったことのない”地理”があった。地理担当の先生のところに行って、一言。
「センセー、受験で地理使うことになったので教科書貸してください。」
最初は当然「ナニイッテンダコイツ……」みたいな顔されたけど、教科書と使ってないワークとか使えそうなプリントとか貸してくれた。分からないことあったら聞きに来てって。温かい先生だった。
エピソード3 / 宿題って、自分で学習の工夫するためのものじゃないの?
宿題。とにかく嫌いだった。なんのためにやるのか当時は意味を見出せなかったし、そんなことより遊びたかった。
ただ、やらないと部活をやらせてもらえなかったし、逃げる手段がなかった。だからどうせやるならと、反抗心だけでやっていた。
夏休みの宿題は、日記とか自由研究以外のワークは夏休み入る前に全部終わらせた。
大人にどれだけ宿題をやる意味を聞いても「とにかくやりなさい」としか言われず納得できなかった。勉強の仕方なんて人それぞれなのに、こうやりなさいを完全再現しないといけない。やりたくないことに、とにかく反抗的だった。
でもこの時の経験は良かったと思うようにしてる。
やりたくないことや意味を感じられないことをやること、無理やりやらされる感覚を知ること。どうしてもやらないといけないことを、どうやってこなすかを考えること。
エピソード4 / ズル休み
わりと気分屋だったわたしは、学校も積極的にサボっていた。
今日は学校に行きたくないなって思ったら、ランドセルを背負って学校に行くふりをして、近所の公園でブランコをしていた。
親に「今日は行きたくない」と言うこともあった。もちろん理由を聞いてくるけど、そのときは黙秘を貫いた。
「じゃあ行かなくていいよ」って言われるまで。
無理やり行かせてくる親だったら、もっとグレてた可能性がある。逆に、ブランコよりもっと楽しい寄り道を見つけてたかもしれないけれど。
エピソード5 / 学校休みます宣言
受験の数週間前、受験の時間に合わせて、模擬試験をやってみたいと思い立った。
受験は昼頃に試験があったりして、学校に通ってたら模擬試験ができないと気付いた。
誰に相談するわけでもなく、思い付きで担任の先生のところに行った。
「センセー、わたし最後の2週間学校休みます!」
先生は当然きょとん。「え?なんで?それはちょっとなあ。」完全にそれはダメという感じだったが、わたしはもう決めていたから譲らなかった。THE・ガンコ!!
結局先生はしぶしぶ受け入れてくれた。親のリアクションは覚えてないが、何も記憶ないってことは、好きにしなって感じだったんだろう。
親友も、ああ。また始まった。ってきっと呆れてただろう。あまり覚えてないけど。
先生は、2週間毎晩電話をくれた。
「今日はどうだった?」
今思えば、本当に周りの人間に恵まれていた。
Mélopée
自分のことばかり語る会だったけど、何かヒントになったかな。
嫌ならサボってもいいし、みんなと違ってもいい。
自分で決めて責任を取る覚悟があるなら、折れる必要はないかもしれない。
宿題を必ずしも真面目にやらなくてもいいし、褒められるようないい子にならなくていい。
学生の間は、学校と家と近所の集まりくらいしか居場所がないように感じることもある。
だから、家で辛くて、学校でも苦しくて、友達とも合わなくて、どこに行っても逃げられないって思ってしまって当たり前だ。
でも、大人は親と先生以外にもうじゃうじゃいるし、世界はもっともっと広い。
それを逆手にとる大人もいるから、「周りの大人に頼りましょう!」なんて両手を広げては言えないけど。
とにかく今を生き延びられればいいと思う。
将来のこととか、明日のこととかは置いといて、今この瞬間を生きてほしい。
何度助けを求めて、期待通りじゃなかったとしても諦めないでほしい。
そんな深刻に考えなくてもいい。そう言っても、苦しいときにはその言葉がむかつくだろうけど。
限界なら死ぬ前にあと1回、まぐろのお寿司を食べてみてほしい。
あと1回、好きだったことをやってみてほしい。
あと1回、夕陽を、花火を、星を、眺めてほしい。
そしてあと1回、勇気をもって誰かに頼ってみてほしい。
それでダメでも、あと1回、試してほしい。
あと1回。もうあと1回。